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【連載】

■ 「想いは南風に乗せて-あなたの心に」(33)

                  堂園 晴彦(堂園メディカルハウス院長)
                  haruhiko@dozono.co.jp
 

◆『納得』


「死に臨んで最も有効な処方は『納得』である」。私が尊敬する精神科医神田橋條
治博士(伊敷病院勤務)は、そう教えてくださいました。


一九九一年、鹿児島で最初にホスピス医療に取り組み、現在まで千人以上の方を
看取りました。在宅での最後は3割弱です。


2万人以上の最後を看取ったエリザベス・キューブラロス博士(ホスピス医療の神
様と言われている)は、死に逝く人のために精力的に本を書いていましたが、最
後にどうしても書いておかなければならないと強い思いから書いた本は、「ライフ
レッスン」という、生きるための本でした。


キューブラロスはこの本の「はじめに」のなかで、「人は死が近づくと遣り残したこと
に気がつく。しかし、そのことをするには遺された時間が余りも少ない。豊な最後の
時を過ごすには結局自分が本当にしたいことをしたと思う人生を送ることである」と、
書かれています。


最近読んで痛く感動した本は、浅田次郎の「椿山課長の7日間」です。急にあの世
に行き、遣り残したことをするためにこの世に戻ってくる話です。


今年五十四歳になり、「先は短くはないが、長くはない」と、頓に思うようになりまし
た。人生も折り返し地点を過ぎると、「幸せは、地位や名誉や財産に関係なく、納
得して毎日を過ごすつみかさねかなあ~」等と、肩の力も抜け、四方八方に目配
りできるようになってきつつあります。


最近在宅で亡くなれた仁田尾仁美さんの人生のテーマは「納得」でした。肺癌で脳
に転移し歩くことも儘ならないのに、いつも身奇麗にし、杖をつきながらも背筋を伸
ばし凛として通院されていました。


死期が迫り、最後の時を意識したのかご主人に「遺影は笑った写真にして欲しい。
綺麗な花で祭壇を飾って欲しい」と、希望されました。その望み通り、自宅で自分の
納得した部屋模様と音楽で、最後の時空を過ごされました。葬儀に参列し、詩が浮
かびました。


私たちが最後の時のお手伝いをしたから豊な最後を送れるのではありません。豊な
最後は、あくまでも、本人が人生を「自己選択」し、その選択に「自己責任」を持ち、
そして、結果はどうあれ、「納得」したかによるようです。家族が良かれと思い段取り
をしてあげても、本人が納得しなければ「小さな親切、大きなお世話」になりかねま
せん。


人生の真の勝利者は単なる勝ち負けではなく、たとえ負けても「納得した敗北者」は、
「不本意な勝利者」に勝るようです。人生最後の数週間がその事実を物語っていま
す。


私は、日本のワールドカップの結果に「納得」していますが、皆様は如何でしたでし
ょうか。
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【2006/12/30 16:04】 | 教育全般
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