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【連載】


■「総合学習回顧録ー小学生ママと総合学習」(9)


                  名生修子(兵庫県) 
                  hirotakanao@nifty.com

~15歳のひとりたび~

 私事になって恐縮ですが、我が家には鉄道ファンの息子がいます。今までに全国
すべての都道府県を鉄道でまわっています。春には、友人と二人で、なくなる寝台
特急に乗って2泊2日の旅行をしてきました。

 この夏には、北海道に寝台列車を乗り継いでの一人旅に出ました。寝台列車の一
人旅については、車中泊一泊のみで翌日帰るという経験はありましたが、今回のよ
うに一人で寝台をいくつも乗り継いでというのは初めてのことでした。

 彼は、私の半分も人生を生きていないのに、北海道を訪れた回数は、私とほぼ互
角です。もちろん、彼の今までの北海道旅行は私と行っているのですから当然なの
ですが。

 初めはトワイライトエクスプレスでの旅。函館や登別でした。往路は日本海で青
森まで行き、津軽海峡をドラえもん列車のカーペットカーに乗って渡りました。ま
だ、保育園の頃です。

 次は冬の網走、層雲峡。これは、飛行機で往復しました。行く先々で雪と戯れ、
極寒の北海道を楽しめたのは幼さ故だったと貴重に思っています。

 その次は、さっぽろ雪祭りとSL釧路湿原号。これは、雪祭りの平日をねらって、
私の修学旅行の代休を利用して行ったものです。(私は旅行前夜に信州のスキー修
学旅行から戻ってきて、翌朝8時には夫の車で関西国際空港に着いていました。息
子達は保育園をお休みしました。)復路は走り始めたばかりのカシオペアに乗って
東京へ戻り、銀座の天賞堂という鉄道模型のお店に寄って帰ってきました。

 その次は、舞鶴からフェリーで小樽へ。船のお風呂は広くて夕陽が最高でした。
船の中にあるプールも楽しみの一つ。鉄道旅行とはまた違った楽しみでした。夏の
積丹半島を車で一周しました。キタキツネがたくさんいました。昨年修学旅行で小
樽に行き、バスで移動中に「あれ?この道、車で走ったことある!!」感慨もひと
しおでした。

 私が上記以外で北海道を訪れたのは、初任者研修として、文部省(当時)の船で
行った洋上研修だけです。まだ、初任研が試行の段階で、兵庫県からは11人が参
加しました。(研修の中身は忘れましたが、その10日間に、一緒に行動した全国
の仲間達とは20年経っても交流が続いています。)洋上研修ですので、陸上泊は
北海道一泊と宇奈月温泉一泊でした。

そう考えると、愚息の今回の旅行で、滞在日数では私が抜かされたかもしれません。

 その長男の一人旅の様子を、以下に記します。すべて車中泊です。ホテルに一人
で泊まるのはまだ自信がなかったようです。鉄道に乗るのが目的の旅ですので、鉄
道ファンの方以外は退屈な行程だと思いますが、どうか15歳が企画実行した一人
旅の様子をご覧ください。本人のメモです。


(北海道旅行2008)

7/24
 夕食用におにぎりとコロッケ持参。
 翌朝用に新神戸駅で「あっちっちすき焼き弁当」を買う。
新神戸  17:25
│ ひかり382号
東京 20:40

 出発に先立ってお母さんが買ったカメラのSDカードが4ギガでカメラに対応し
ていないことが発覚。SDカードを求めて、東京駅の売店を探すが、無かったので、
山手線で、上野へ行く。
 上野の売店で探すが無いと言われ、「ヨドバシカメラがあるよ。」と言われたの
で、ヨドバシカメラに急ぐ。でも、ヨドバシカメラは閉まりかけていて買えなかっ
た。やむなく、売店で写ルンですを買う。ビデオはカメラのハードにおとした。

 あけぼのの推進回送をビデオに撮る。
上野   21:46
│ 寝台特急あけぼの
7/25 │ 東北地震のため北斗星は運休。

青森    9:56
  ~津軽フリーパスを買う~
 青森で慌ててカメラ屋さんを探して行ったが、SDカードは置いていなかった。
そこで電気屋さんを探して行ってみるが、マイクロSDカードしかなくて、アダ
プターとのセットを買って対応する。
 朝のパンを買う。青森駅のバス停のベンチでパンを食べる。  
青森 11:43
│ 弘南バス
黒石   13:00(10分くらい早く着いた)
 キ104というラッセル車が停まっていた。錆びていた。
黒石   13:20
│ 弘南鉄道弘南線
│乗務員室の扉は前も後ろも開けっ放しだった。
弘前   13:48
弘前   14:16
│ かもしか4号
│普通は3両編成のはずが、貸し切り列車を前に3両連結していたので、
│6両となっていた。
大鰐温泉 14:26
大鰐   14:45
│ 弘南鉄道大鰐線
│乗務員室の扉は閉まっていた。
中央弘前 15:13
│ 徒歩
~イトーヨーカ堂でおにぎりとそばを買う~

 リゾートしらかみの時間が10分間違っていたようで、駅に向かって歩いている
時に、乗るはずだったリゾートしらかみ6号(ブナ編成)が出発するのが見える。
やむなく次の普通列車で五所川原に向かう。
弘前   16:52
│  普通
五所川原 17:43 
リゾートしらかみ5号(クマゲラ編成)を見た。
五所川原 17:45
│ 津軽鉄道
│後ろに納涼ビール列車をつないでいたため2両だった。
津軽中里 18:23
津軽中里 18:54
│ 津軽鉄道
│後ろに納涼ビール列車をつないでいたため2両だった。
五所川原 19:28
 kioskも閉まっていた。夕食はイトーヨーカ堂で買ったそばを待合室で食べ
ることに。
五所川原 20:35
│ JR在来線普通
川部   21:05
川部   21:09
│ JR在来線普通
│対向列車の貨物が送れたため大釈迦で7分停車とアナウンスがあった。
│津軽新城で対向列車遅延のアナウンスがある。
青森   21:52(実際は4分遅れの56分着)
Kioskは開いていた。お茶を買った。
青森   22:42 特急津軽遅延のため出発が20分程遅れる。23:05発車
│ 
│ 急行はまなす(寝台を利用)
7/26 │
│ 電源車に乗ったがいろんな記事に書いてあるほどうるさくなかった。
│上段寝台だったからかもしれない。
札幌    6:07 車掌さんに起こされる。
 トイレで就寝用ジャージから洋服に着替える。
 コインロッカーに大きな荷物を入れる。
 瑞穂ちゃんのお母さんと6:45に札幌駅南口タクシー乗り場で待ち合わせ。
 その後、車で小樽へ。小樽で朝食。スーベニールオタルカン(伝説の北海道土産
「ジャガボックル」を送ってもらえるお土産屋さん。)に行く。
 その後小樽市総合博物館へ。
 小樽市総合博物館見学(9:30~)
 昼食に塩ラーメンを食べる。
 小樽駅まで瑞穂ちゃんのお母さんに送ってもらう。
小樽   12:24 
│ 普通
札幌 13:14 この二つの列車は列車番号、
札幌 13:32 使用車両ともに一緒。ロッカーより充電器を取り出す。
│  
│普通
苗穂 13:35
 写真の電池が切れたので、駅で写ルンですを買う。
 駅前ローソンの向かいの蔵ノ湯¥390に入った。電池を充電させてもらえるよ
う頼んだが断られる。
JR苗穂工場見学(14:30~15:45)
 駅前ローソンで、写ルンですを再び買う。
苗穂   16:06
│ 普通
岩見沢  16:44
岩見沢  17:11
│ 旭山動物園号 動物好きの弟のためにたくさん写真を撮った。
札幌   17:46
 ラーメンでも食べようかと探したが、見つからないので、デパ地下に行くが、
やはり無くて、時間になったので、カムイに乗る。
札幌   19:00 特急券が日にち違いだったので自由席に乗った。座れた。

│スーパーカムイ45号
旭川   20:20 
旭川   20:30
│ スーパー宗谷4号
札幌   21:50
 翌朝用のパンを買う。

札幌   23:08
│ 臨時特急まりも
7/27 │ (夏だけの列車:8/31で廃止)

釧路    5:50 自分で起きられた。
釧路    5:55
│ 快速はなさき
│エゾシカが車両に足をはねられて怪我「たぶん足をやられたら死ぬだ
│ろう。」とは、乗客の話。かわいそう。
根室    8:13
根室    8:22
│ 普通
釧路   10:38 
釧路   10:56
│ 釧路湿原ノロッコ2号
塘路   11:40
塘路   12:07
│ 釧路湿原ノロッコ1号
釧路   12:54
釧路   13:25
│ スーパーおおぞら10号
│ 対向列車遅延のため待ち合わせで2分ほど遅れて到着。
南千歳  17:09
南千歳  17:46
│ 寝台特急北斗星
7/28 │ 車番を控えていたら、車掌さんが車掌室に入れてくれた。
│ シャワー券を買ってシャワーをする。
│ 東北地方大雨のため2時間11分遅れて到着 。
│ あけぼのは運休。
上野    9:41(実際は11:52着)
上野   12:30
│ 東北本線(宇都宮線)
大宮   13:05
 さいたま新都市交通で鉄道博物館へ。
 鉄道博物館見学(大宮)
 さいたま新都市交通で大宮へ。
大宮   16:07
│東北本線
尾久   16:28
 尾久車両所を見学
尾久   16:46
│東北本線
上野   16:53
 上野でみどりの窓口に並んで、北斗星の払い戻しが1年間有効だと聞く。が、せっ
かくの北斗星の切符なので、払い戻さないことにする。
 上野から山手線で東京へ。
 東京駅で、晩ご飯の牛肉弁当と、お土産を買う。
東京   18:03
│ ひかり383号
新神戸  21:19

 ご覧のように、かなりの強行軍です。私の携帯電話を持って行くよう(彼は高校生
ながら携帯電話を持っていません。いらないと言います。)言いましたが、どこかで
公衆電話を見つけるからと、聞き入れませんでした。途中札幌で出迎えてくれた「瑞
穂ちゃんのお母さん」というのは、私の大学時代の寮の後輩です。愚息の一人旅を知
って、「うちの子も連れて行くので、お邪魔にならない程度につきあわせて。」と言
ってくれました。彼女は結局小樽でアシが不便なところをすべて車を使ってカバーし
てくれて、とてもありがたかったです。まだ、子どもさんも小さい一家の主婦が、早
朝から出迎えてくださって本当に感謝しています。

 彼が今回の旅行で一番ネックになったのは、カメラです。まず、電池。どこかで充
電できるかと思っていたようですが、なかなか甘くなかったというのが現実です。
(弟のカメラは電池式なのですが、彼は弟に気を遣ってそれを持参しませんでした。)
そこで、撮りっきりカメラを何度も買うはめになります。

 また、私のミスで、張り込んで買った4ギガのSDカードがカメラに対応していな
いというハプニングに東京駅に着いた早々いきなり襲われます。上野でも青森でもS
Dカードを探し、ようやく青森の電気屋さんで対応できるアダプターと一緒のマイク
ロSDカードを見つけます。その電気屋さんには、青森駅にあった周辺地図から探し
て行ったそうです。

 そして、一番の懸念材料だったお風呂には、結局2回しか入れなかったようです。
昼間は移動で忙しく、朝開いているお風呂は未成年だけでは入れないような「スパ」
タイプのものがほとんどだったからです。そう言う意味で、苗穂駅前の「蔵の湯」は、
ありがたかったです。北斗星でシャワーをしたはずなのに、帰ってきた時は、学校の
無人島キャンプから帰った時と同じような匂いがしていました。(笑)

 いろいろなハプニングがありましたが、私が一番心配したのは、列車の運行そのも
のです。今回の出発日は東北地震の直後であり、「それでも行くの?」という問いに
彼は行くと言ってききません。まず列車が運行されるのか。それが心配でした。出発
ぎりぎりまで、インターネットで運行状況を調べ、出発しました。その時点で同じよ
うに上野から北に向かう「北斗星」は運休が決まっていました。

 「上野であけぼのが運休だとわかったら帰ってくるから。」と言って新神戸を出発。
運良く「あけぼの」は運行され、途中徐行運転をしながらも、定刻通りに青森に着い
たそうです。

 復路の列車も同じでした。地震の後の大雨で、往路で乗った「あけぼの」は運休で
した。大阪へ帰る「トワイライトエクスプレス」は、7時間遅れだという情報がネッ
トに載っていました。その中で、彼の乗る「北斗星」だけが、徐行運転ながらも2時
間遅れで上野に着いたのです。トワイライトエクスプレスのように7時間も遅れてい
ては、大宮の鉄道博物館はあきらめなければならなかったでしょう。

 私は、クリスチャンではありませんが、神様は本当にいるのではないかと思います。
実は、今回の旅の当初の予定は、往路が「北斗星」復路が「あけぼの」を利用するこ
とになっていました。それが、北斗星の指定券が取れなかったため、往路と復路に利
用する列車を入れ替えたのです。それが、今回このような不思議な結果につながりま
した。

 また、出発時の新神戸駅では、それまで何度もトライしてとれなかった「釧路湿原
ノロッコ2号」の指定券が予約できたのです。それも、復路のノロッコ1号の座席と
同じところが。たくさん車両のある中で、これはものすごい偶然でした。みどりの窓
口の人が、復路のノロッコ1号の切符を見ていないのに。

 このように、今回の旅は、愚息一人の力でなく、いろいろなところで、神様に守ら
れているような旅だったと思うのです。この旅の最中に、彼は16歳の誕生日を迎え
ました。ひとりで。周りにお祝いしてくれる人はいませんでしたが、きっと人生の中
で忘れられない誕生日になったのでは、と親としては思いたいです。

 次は、どこへ行くのでしょう。少し心配しながら、親としても彼の旅行を楽しんで
います。彼の旅行記は新学期の学級通信に載るそうです。


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【2008/09/10 00:14】 | 連載
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